エノテカ イゾラベッラ 過去ログ{苦楽園のオステリア・エノテカと神戸のエノテカ イゾラベッラの記録です}−レストラン案内 兵庫−



ベカス!ベカス!ベカス!
ベカス

ベカス・ロティー

ベカス・ラグー

ガイア・レイ 90、モンフォルティーノ 88

  前回、エディーさんの誕生会に伺ったとき、八島シェフとジビエの話になり、私が唯一まだ食べていないものに。野鳥の王様、ベカス(山鴫)があると言うと、八島シェフが入荷したらお知らせしますと言ってください、そして、ついにその日がやってきました。
  前回の訪問から一ヶ月位しかあいていないので、他の料理も楽しみにして席につきました。この日は特に何のイベントもありません。言ってみれば、ベカスのためのディナーです。
  食前酒に、私とエディーさんはグラスシャンパン。当社社長はシェリー、副社長はカンパリオレンジで、ベカスのためのディナーをスタートさせます。
  食前酒の後の一本目のワインは、定番になりつつある、ボランジェの NV です。

アミューズ:つくね芋のピュレを巻いたカルパッチョ

  やはり料理が今までに無いものが出てきます。カルパッチョはここでは始めて。単に切った肉ではなく、なかにつくね芋のピュレが巻き込まれています。肉も赤身でしっかりと味があり、つくね芋の柔らかな食感とほのかな香り、チーズの旨味が見事にマッチ。仕事がされた江戸前のようなニュアンスのカルパッチョでした。

前菜:アンコウとアンキモ、トリュフとセロリラーブのフリット

  軽くポシェされたアンコウの身と、ア・ラ・ヴァプールされたアンキモに、黒トリュフとセロリラーブのフリットが添えられています。アンコウの白身はソース、トリュフの香りを食べる最高の土台。アンキモは臭みも全く無く、濃厚な旨味がソースとせめぎあい、白身との対比が面白い。セロリラーブは同じ土のものでトリュフとの相性が良いので文句ありません。アンコウの柔らかな身との食感の違いが楽しめます。

魚:平目のポワレ、タラバガニのパイ包み添え、キャビア入りシャンパンクリームソース

  身の厚い平目のポワレに、タラバガニのムースを詰めたパイが一つ。ソースは、ソース・ヴァン・ブランの白ワインの代わりにシャンパンを用いたような感じで、軽く、それでいてしっかりしている。ソースに混ぜられたキャビアが温められても嫌な臭い一つせず、それでいて、単なるお飾りでなく、食感とほのかな塩味。そして、違った旨味をアクセントとして表現している。
  香ばしい平目もさることながら、タラバガニのパイ包みが素晴らしくおいしい。この辺まで、ボランジェで楽しみました。シャンパンソースとシャンパンの組み合わせはさすが!

パスタ:バジルのパスタ、鮑のソテー、ウニ、オマールエビ添え、鮑の肝のソース

  圧巻のパスタです。いや、主役はパスタというより、鮑。パスタは鮑のソースを食べさせるために思え、クード・ブフなどに添えられるヌイユのようにさえ感じます。肝のソースのすばらしいこと。オマール、ウニも美味しいのですが、何より鮑と言う高貴な貝が、調理して、ここまでより飛躍するのかが、はっきりわかります。江戸前の煮鮑が生よりも美味しいと言われることが良くわかります。(生の鮑は食感とほのかな香りだけで、調理した方がはるかに美味しいと個人的には思います)
  この辺から、ワインをガイア・レイに。オールドヴィンテージのガイア・レイの強烈なパワーに一歩も引けを取らない料理でした。

パスタ:アルバ産白トリュフを添えた猪のリゾット

  本年度最後だといわれたアルバ産の白トリュフです。そして、この店では初めての猪のリゾット。
 リゾットは昨今よく食べますが、やはり、八島シェフが作ると、他の店の物とは深みが違う。米一つ一つに絡まるソース。米自体にもソースの旨味が充分吸い込まれているのに、しっかりとアルデンテに保たれ、食感は失われていない。白トリュフだけを楽しみなら定番のラビオリの方が上だが、一皿の完成度では、まったく引けを取らない。

メイン:ベカス 胸肉のロティー 腿肉のラグー

  ベカスです。いつもはグランメゾンのここでは、マナー違反と思い撮影しないのですが、今回だけ、次はいつ、口に入るかわから無いベカスなので、撮影させていただきました。胸肉、腿肉ともココットに入って来、八島シェフ自ら、デクパージュしてくださいました。
  大阪のリーガロイヤルホテルと競って手に入れてくださったベカス。最初は一羽しか入らないといわれたのですが、二羽入荷してくださり、取り合いにならずに済みました。
  デクパージュされていく段階で、もう何とも言えない香り。八島シェフも、今年もこの香りに会うことが出来て幸せだとおっしゃられていましたが、良くその感覚がわかります。ワインとトリュフ以外で陶然させてくれるまでの高貴な香りは初めてかもしれません。
 さて、まずは胸肉から。身はしっかりしています。味の強さでは雷鳥ほどではないです。しかし、ソースがすごい。他のジビエのサルミソースは、強弱はあっても肝や血を感じます。しかし、ベカスのそれは、それを凌駕する甘みと何とも言えない香り。雷鳥の野生さ溢れる強烈さに対し、ベカスはまさに、王侯。ゲルマン民族とルイ王朝の違いとでも言うべきでしょうか。(時代的な対比として考えると、ローマ元老院階級の方が正しいかもしれませんが・・・)
  付け合せはゴボウです。この土の味がソースと何とも言えないマッチング。このゴボウだけでもいいから永遠に食べ続けたくなる。一方のラグーも身はしっかりしていますが、野性味より高貴さを感じさせるもの。そして、この皿の素材がベカスであることを示す頭が添えられています。長いくちばしで一目でわかります。こちらは丸ごとソースにつけて食べました。
  総じて、肉質はしっかりしていて、内臓のソースが圧巻でした。量的に一匹丸ごと食べてみたいジビエです。ジビエの王様。その意味がはっきり理解できました。
 前回は柔らかな雉にあわせてワインはバルバレスコ、ソリ・ティルディンでしたが、ジビエの王様にあわせるイタリアワインは、やはりこれしか考えられません。ジャコモ・コンテルノ、バローロ リゼルバ モンフォルティーノです。あわせて納得。至高の取り合わせでした。

ガイア・レイ 90

  スポンサーと一緒のときは必ずガイア・レイです。ただ、今回は若いヴィンテージが無く、90年というオールド・ヴィンテージ。お値段も少し張りましたが何とか許可を貰ってオーダー。
  年数は経っていますがボディーはしっかりしています。若いときのバター的な香りからは大分変化し、複雑さが増していますが、パワーは衰えを知らぬワイン。老いて益々盛んというところでしょうか。

バローロ リゼルバ モンフォルティーノ 88 ジャコモ・コンテルノ

  前回はバルバレスコの最高峰。今回はバローロの最高峰。ともに 88です。ソリ・ティルディンと違い、香りのアタックがまず強烈。果実の風味に、少し獣と、昆布のような雰囲気。味わいも旨味が強く、タンニンは感じないもののインパクトと甘みを感じさせる。
  今回はリゾットの途中からあわせましたが、何よりベカスとの相性が最高でした。八島シェフがベカスと一緒に飲むと、ワインが甘くなりますよといわれるとおり、ベカスのソースとあわせると、モンフォルティーノの甘みが強調されました。
  ただし・・・・お値段は、ソリ・ティルディンを上回るとんでもなくものでした。

デセール:洋ナシのコンポート、マスカルポーネのムース

  デセールは定番のマスカルポーネのムースと洋ナシのコンポート。苦楽園時代はひとりずつ違うデセールが出てきた時代もあったのですが、最近は同じ皿が出てきます。

総評

  ベカスのためのディナーは至福のひとときでした。神戸のルミナリエの最終日とあり、満席でしたがスムーズに食事は進み、快適でした。今回は定番とは違った料理をたくさん楽しめましたし、何よりもベカスとモンフォルティーノは本年度の最高の取り合わせであったと思います。ただし、お値段も強烈だった模様です。社長に感謝!!

エディーさんのお誕生会に
ガイア・レイ

ソリ・ティルディン

  エディーさんの誕生会にエノテカ・イゾラベッラに。移転してから 2回目の訪問。前回課題として感じたサービススタッフの新しいシステムへの慣れは如何に?
  同行者の一人が大阪から来る途中、列車事故で遅れることに。乾杯の前に、とりあえず、食前酒としてキールロワイヤルを。
  同行者が 30分遅れで到着し、あらためて乾杯のため、ボランジェの NV をオーダーし、いよいよ、食事がスタートします。

前菜:鮑とウニ キャビアぞえ

  定番ですが、今回はいつも入っているスモークサーモンはありません。
  厚みの有る鮑に、ウニとキャビア。歯ごたえと柔らかさが共存している絶妙の火の通し。磯の香りにウニの香りが重なりあう。
  ああ、オートキュイジーヌだなとしみじみ感じる一皿。

前菜:フォワグラとつくね芋のガレット アルバ産白トリュフがけ

  予約時に”ぐるなび”を見て、アルバ産白トリュフ入荷とあったので、期待していました。
  皿が来てから、八島シェフ自ら、白トリュフを削ってもらうと、妖艶な香りが充満します。ガレットの上にハラリと落ちる薄い白トリュフ。ガレットの暖かさで白トリュフの香りが強まり、獣的になる。
  白トリュフのドレスを纏ったガレットにナイフを入れると、フォワグラの油、芋の食感と粘り。そこに白トリュフの香りが広がる。ああ、脱帽。

魚:あこうのポワレ、ズワイガニと松茸入りのカニのアメリケーヌ

  あこうです。和食でも中華でも使えるハタ科の高級魚の大きな切り身がゴロリと。ズワイガニの足が一本と、松茸一本が添えられています。
  ソースはカニで作られたアメリケーヌ風。旨味はしっかりしているけど軽くカプチーノ風になっています。カリリと焼かれたあこうに、空気を含んだ軽いアメリケーヌが絡まり、松茸の香りが広がる名品です。

パスタ:沼津産ラングスティーヌ、サフラン入りパスタ

  いつもはイカ墨が練りこまれているパスタで、よく食べる定番です。
 今回はサフランを練りこんであるので、旨味より香りが引き立ち、ラングスティーヌが際立ちます。

パスタ:半熟卵とペルドローのミンチのラビオリ、アルバ産白トリュフ添え

  秋から冬にかけての名物。今年の2月にも頂きました。
 今回はジビエのペルドローのミンチなので全体の味が濃い。フォワグラのガレットと同じで、白トリュフの香りが広がり幸せ。
  ラビオリを崩し、白トリュフと烏骨鶏の半熟の卵黄、ペルドローのミンチをあわせて口に頬張ると、卵、ミンチ、白トリュフ、そして粉の旨味が見事なマリアージュを醸し出します。ボ〜〜っとなります。天国です。

メイン:雉 胸肉のロティー 腿肉のラグー

  ジビエです。エディーさんの誕生日近くには色々ジビエがあります。
 いつかは苦楽園時代のオステリア・エノテカで雷鳥を、いつかはアランシャペルでリエーブルを。今回は雉(フェザン)です。
 ジビエの中では一番柔らかい雉ですが、内臓のソースをあわせると力も出てくる。肉は柔らかく、香りも穏やか。ソースも力はあるが雷鳥と比べるとフェミナン。
 96年のフランス旅行時代、アルザスで食べた雉は、単に焼いただけで、それはそれで美味しかったけど、 さすがに、ここで料理されると全く違う。腿の煮込みはもう少し味が濃くなる。
  ワインとあわせると見事にあう。旨味とジビエの香りが素晴らしい。

ガイア・レイ 99

  ガヤの白の最高峰。6月はロッシバスでしたが、やはりガイア・レイは濃い。あこう、ラングスティーヌあたりからあわせましたが、カニ、エビの風味を凌駕するパワー。
  白トリュフとは見事なマッチング。

バルバレスコ ソリ・ティルディン 88 ガヤ

  ついに飲むことができました。ガヤのシングルヴィンヤード、ソリ・ティルディン。
  デキャンタージュされたワインをグラスに注ぐと、最初の香りはそれほどアタックは強くない。しかし、徐々に広がる。香りはまだブドウの香りも残しながら熟成感も有るが、ネビオロの香り。
  味わいは、旨味が強い。余韻が長く、果実味と熟成感が共存している。タンニンはなく、酸は丁度良い感じながら、旨味が突出している。さすがガヤと思わせられる。
  ラビオリあたりからはじめましたが、ラビオリは白には白の美味しさ、赤には赤の美味しさがそれぞれにあり、両方で楽しめます。ジビエには完璧なマリアージュ。
  値段もとんでもなく高いが、味わいもすばらしい。

総評

  前回、6月のときは料理数が増えていましたが、今回はいつもどおりに戻っていました。
  定番の料理もたくさん出たものの、ちょっとだけ変化があり、楽しめました。特に白トリュフとジビエが楽しめるのがありがたい。ジビエに関してはブルディガラでは出せない味の深みがここにはある。
  スタッフも大分慣れて来たようで、サービスはスムーズに行われた。シェフの力量は変わっていないし、規模が大きくなり、スタッフも育ってきたことで、ますます、本領発揮できるのではないかと思える。
  尚、八島シェフのスペシャル料理を食べたい方は、事前に予約のときに、「八島シェフのスペシャル料理、予算いくらで」と言うようにしてください。通常のメニューにはない素晴らしい料理が楽しめます。

07 6 17 あかあかや先生の妹さんの合格祝いに
サシカイヤとロッシバス

  あかあかや先生の妹さんがケアマネージャーの試験に合格されたお祝いに移転したエノテカ・イゾラベッラに行きました、

アミューズ:鯛のカルパッチョ キャビア入りクリームソースと鯛のベニエ

  鯛のカルパッチョにキャビア入りにクリームソース。まあこれはなんと言う事は無い。キャビアが塩気を与えて快適ではあるが。
  変わっているのは鯛のベニエ。ベニエと言うよりピカタっぽいかも。香りが閉じ込められていて面白い。ドリンクのスターターはグラスシャンパンとキールロワイヤルで。神戸に移転してからフランスワインも豊富にあり違う楽しみを発見できそうです。

前菜:稚鮎のカルピオーネとうすい豌豆風味のビシソアーズ

  昨年のこの時期に鮎のパスタを食べ感銘を受けたので今年も出切るかなと予約の段階で鮎をお願いしたところ、今年は前菜で、かつ稚鮎で。まだ今年は鮎が大きくなっていないとか。少し残念。
  稚鮎は頭から食べられます。内臓の苦味もそんなにありません。ヴィネグレにはトリュフのアッシェがいくつか。ほのかに香ります。うすい豆のビシソワーズは濃厚。少しグリーンな香りも漂い、あ、これがタデ酢の代わりなのかなと感じました。
  ワインはグラスで軽いトレビアーノ・ダブルッツォを。

魚:イトヨリのパートブリック包み焼き 赤ピーマンのソース

  魚はイトヨリ。ソースに赤ピーマンの風味。
  パートブリックで包んで焼いてあるので表面はサクサク。身はしっとり。赤ピーマンの甘い雰囲気とよくあいます。

フォワグラのテリーヌと鳩の冷製 鳩のジュレ

  いつもならここでパスタなのですが、品目が増えた今回はフォワグラのテリーヌが。ソースは鳩のジュレ。鳩の肉の冷製も添えてあります。フォワグラは口に入れて濃密でいながら、ハラりと溶けて消えていく。鳩のジュレの香りとほんのりした甘さが脂肪の美味さをより引き立てる。ああ、参った。久しぶりに美味しいフォワグラを食べました。
  この辺からワインはロッシバス。今回はスポンサーが居ないので白はガイアレイより¥10000安いこちらで。ガイアレイより薄いけど、美味しいシャルドネです。

パスタ:ハモのタリアテッレ 赤ワインのソース

  来ました。ハモ。夏、八島さんは好んで和の食材を使われますが、そのうちの一つです。ハモは骨きりをして葛かどうか分かりませんが、粉を打ってあるような。それを焼き上げたように思えます。ソースは赤ワインを主体としていますが、軽く仕上がっているので白ワインで頂きました。季節を感じさせてくれる料理です。

パスタ:フォワグラのラビオリ トリュフのソース

    パスタに皿目はまたまたフォワグラ。今度は温製。ここでワインをサシカイア 93 に一度変えます。サシカイアについては後述します。
  ソースにまたまたトリュフが。温製フォワグラは冷製とは違うとろけ方。ラビオリなので香りが逃げない。それに暖められたトリュフのソースの妖艶な香りが上乗せされる。あ〜〜、またまた参った。これはもう完全にフレンチだ。
  フォワグラが温、冷で、こうも感じ方が違うのに、その両者の美味さを最大限引き出している。温、冷フォワグラ 2皿。セットで今回一番素晴らしい料理と思いました。

サシカイア 93

フォワグラにサシカイアを。いや、本当はソリサンロレンツォとかソリティルディンとか、前回あけたモンフォルティーノと行きたかったのですが、値段が強烈。で、以外と安く感じたトスカーナのサシカイアを。93 ですとまだ、VdT 時代ですか。(今はDOC イタリアの格付けはよく変わる。)
  カベルネです。若いときに飲んだら強烈です。で、今回は 93 と 95 を候補にしたのですが、93 の方が後々の料理にもあわせやすいと言う事で 93 に。デキャンタージュして頂きましたが、まだまだ濃いし、深い。でもタンニンの角は大分取れていて、ボルドーとは違うカベルネを堪能できました。お値段¥33000。(95は¥30000) しかし、ソリティルディンが¥55000〜、モンフォルティーノが¥48000〜なので、安く見えてしまいました。尚、私のお気に入りのサンマルコは¥20000〜。お祝いでなければこちらを選んでいたかも。

魚2:鮑の塩パイ包み焼き ポルチーニとオマールのソース

  今回、もう一品増えていたのがこれ。魚のメインと言うべきもの。こう考えてみると、イトヨリは温前菜だったのかもしれません。
  さて、今回初めて八島さんが登場。デクパージュしてくれます。
  パン生地のようなクルートの中に、クレピーヌ(網脂)で包まれた大ぶりな鮑がゴロリ。切り分けられると磯の香りが漂います。ソースはポルチーニとオマールのソース。香りはそれぞれ控えめながら風味はしっかり。鮑は少し固めですが、噛み締めるとそのジュが磯の香りを運びます。無論、これには残しておいたロッシバスを。

メイン:エトゥフェ鴨のロティー 赤ワインのソース

  メインは鴨かイベリコ豚とのことでしたが、サシカイア 93 にあわせて鴨になりました。昨年、イベリコ豚を食べていたのでこちらの方が面白みがあるでしょう。
  エトゥフェの鴨ですが、飼育なので癖はありません。赤ワインソースもボルドレーズほど濃厚ではなく、鴨の甘みを引き立てる感じで、あ〜、さすがに八島さんの作る料理はオートキュイジーヌだなー。と改めて感心させられます。ソースの赤ワインの風味が、カベルネから作られるサシカイアの力強さと鴨の穏やかさとを取り持っています。まさに、ワインに合わせて料理法を変える。この店の一番の楽しみ方ではないでしょうか。

デザート

  チーズを頂き、ブラッドオレンジのソルベ、マスカルポーネとピスタチオのムース 赤ワイン風味のベリー類のソース、フロリーニ添え を。

移転後の感想

   オステリア・エノテカが 2007年 4月にイゾラベッラと合併し神戸に移転しエノテカ・イゾラベッラたなったわけですが、感想としては、雰囲気はカジュアルモダンで少しチープに。サービスは専門職の方が居ますが、まだまだ行き届いていない。しかし、料理は分量もそのまま、品数が増え、高級食材がふんだんに使われていることから、八島さんの考え方は変わっていないし、さらに前進しようとしているように見えました。あとはスタッフやシステムが成熟し、料理に見合っただけの箱になれば、より素敵なレストランとなることは間違い無いと思います。
  少し、移転でどうなるか不安はありましたが、今回も大満足でした。あ、私ばかりが満足していたわけではなく、主賓の先生の妹さんも満足していただけたようです。

07 2 16 エディーさんのお誕生会に
イタリア至宝のワイン

  遅ればせながらエディーさんの誕生会を二月中旬に行いました。
  場所は 2007年 4月に移転が決まったオステリア・エノテカ、ジビエを頼んでおきました。

アミューズ:鴨レバーのソテー

  まずアミューズは鴨のレバーのソテー。血の味わいもさることながら脂肪分もあり美味しかったです。もう少し量あれば、軽めの肉料理にもなりそうな感じ。ドリンクのスターターはお祝い事と言う事もあってスプマンテです。

前菜:花付きクールジェットのファルシ オマールとウニ添え

  前菜は花付きクールジェットの花の部分に帆立のムースを詰めたもの。オマールとウニが添えられています。
  ムースは甘く、クールジェットの花独特の香りとあいまって美味しいですが、それ以上にオマールとウニが美味しい。
  最初の白ワインは変わったものをお任せでお願いします。今回はイタリア北部のゲヴュルツトラミネール。そしてこの料理との相性ですが、強烈な個性を放つこの白ワインともなかなかどうして面白い取り合わせです。

魚:天然活け平目 牡蠣添え、スプマンテのクリームソース

  魚は平目。ソースに牡蠣の風味がしっかりあり、独特の香り。ポシェした添え物の牡蠣も抜群の火加減です。
  ただ、ワインとは少し厳しい。牡蠣が入るとミュスカデかシャンパンが欲しくなるところです。

パスタ:イカ墨打ち込みタリアテッレ ラングスティーヌ添え

  パスタは定番。タリアテッレからは、やっと飲めたガイア・レイ 95を。ここ数回、切れていて飲めませんでした。
  イタリア最高峰の白ワインとエビ風味のソース、そしてイカ墨のコクのある麺は、やはり素晴らしいマリアージュ。

パスタ:半熟卵とミンチのラビオリ、白トリュフ添え

  そして今回一番素晴らしかったのが半熟卵とミンチのラビオリ、白トリュフ添え。
  過去何度か頂いた際には時期がもう少し遅かったこともあり黒トリュフでした。今年もあと 1週間遅ければ黒いなったとのこと。ラッキーでした。
  たっぷりと白トリュフが削られていくと、黒トリュフよりも淫靡というか、強烈な香りが広がっていきます。
  半熟ゆで卵のラビオリとあわせると、卵のまろやかさ、ミンチの味わい、ボディーを支えるパルミジャーノの風味とあいまって、もう天国に居るかのような気分になります。
  この辺からガイア・レイとモンフォルティーノ、両方飲み始めました。 どちらも甲乙付けがたいマッチングです。

バローロ Monfortino (モンフォルティーノ)リゼルバ 90 ジャコモ・コンテルノ

  モンフォルティーノはバローロの王様。値段も強烈ですが、ボルドーでもブルゴーニュでもない、イタリアのクラッシックワインの底力を見せ付けてくれる出来栄え。
  ボルドーほどタンニンが強いわけでもない、ブルゴーニュほど香りが鮮烈なわけでも無い。
  しかし、なんとも言えぬバランスと、フレッシュさを残しながらも十分熟成感も楽しませてくれるところは、生半な(なまなかな)フランスワインでは太刀打ち出来ません。(ただし、お値段もフランスワインと遜色ないですが。)

メイン:ペルドゥリ ロティーとラグー

  メインはお願いしておいたジビエ。
  ペルドローとおっしゃられましたが、大きさ、時期的なもの、風味からみてペルドゥリのように感じました。(ペルドロはヤマウズラの雛。たしか爪が一本生えた頃合。 それまではプイヤールだったと思います。で、ペルドゥリは大人のヤマウズラ。)
  小型の鳥にしては味わいは強く、胸肉はロティーに、モモはラグーにされています。鮮烈な内臓のソースが胸肉に深い香りを与え、モンフォルティーノのパワーですら凌駕するくらいの味わい。
  数年前に頂いた雷鳥程ではないのですが、これぞジビエという料理です。一方のラグーは、香りも強いのですが、繊維の硬さと肉の持つ味の強さが全面に出ていました。
  一人半匹。一匹食べたかったですね。

デザート

  チーズを頂き、バースデーケーキを。
  今回もハイレベルな料理、そしてワインを頂きました。

最後にお知らせ

   オステリア・エノテカが 2007年 4月にイゾラベッラと合併し神戸に移転しました。店が大きくなるので、どうなるか不安はありますが、それ以上にサービス面などで期待できると思います。
  おそらく、苦楽園のお店にはこれが最後の訪問になると思いますが、今後も関西有数のイタリアンとして頑張って欲しいです。

06 6 16 事故後初のご馳走に

  すこし、事故にあったりして、ご無沙汰でした。
   しかし、食べることに支障は無いので、あちこち行ってはいるのです。
  仕事が出来ない状況なので、暇をもてあましている分、ちょこちょこ食べに行っています。
  その中から、6/16のオステリア・エノテカについて、思い出しながらいくつかご紹介します。思い出しながらですので、全ての料理をこと細やかに覚えていません。すみません。

あゆのワタを使ったフヌイユ風のパスタ

   オステリア・エノテカ夏の名物です。
  まるでジビエ。濃厚なワタが鮎の香りを楽しませてくれます。
  あわせるのは赤ワイン。サンマルコです。濃厚ですが、鮎の塩焼きも思い起こしてくれます。
  グリエされた鮎の身、ワタのソース、そしてフヌイユを使ったパスタに、バルサミコがほんのりと効いており、これがタデ酢にあたります。

イベリコ豚ロースのロティー

  イベリコ豚の塊をじっくりロティーしたもの。
  数日前に食べたブルディガラのものと比較してみると面白かったです。
  こちらはロースなので、肉質はしっとりジューシー。脂身は、ほんのりしかし、味わい深く楽しめます。すばらしい肉料理でした。

その他

  ワインは今回もガイア・レイには出会えず。赤はサンマルコを。それと前菜に縞アジのイタリア風お刺身とでも言うべきものが出ました。これも美味しかったです。あと、確か定番の”鮑、うに、スモークサーモンのタルタル、キャビアとナスのピュレそえ”と”ラングスティーヌのイカ墨パスタ”も出たような・・・・。

総評と言い訳?

  記録時には、すでに一ケ月以上経過していたので、全部覚えていないのが残念です。
  この時にはすでに事故にあっており、腕が自由に使えず少し食べにくかったですね。

05 5 中旬 社長の誕生会だったかな?

  この頃はまだしっかりとした記録をつけていませんでしたので、ちょっといい加減ですが。(それに、この後も伺っているかも知れないけれど、次の記録まで記録されていませんでした。)

アミューズ:うずら温製 カリフラワーのクリーム オマール添え

   うずらとエビの取り合わせ。カリフラワークレームがそれを見事にベストマッチに仕立てていた。

前菜:鮑、ウニ、スモークサーモンのタルタル、キャビアとナスのピュレそえ

  相変らず素晴らしい取り合わせ。鮑の柔らかさと、キャビアのプチプチ感と塩味。
  ナスのピュレが優しく風味をかもし出し、うにとスモークサーモンがうまみを補強している。オステリア・エノテカの定番。

魚:石鯛ポワレ アスペルジュソバージュ

  これは新作? カリット焼かれた皮面と、しっとりした身の部分を洗練されたブロードが支え、アスペルジュソバージュが違った食感と、青々しさを表現していて楽しめた。
  ここまでをソーヴィニヨン・ブランで。すこし青さを感じるものの、フルーツの風味もあったソーヴィニヨンブランは、無難にこなした感じ。

パスタ:ラングスティーヌのイカ墨パスタ

  麺は至高の品。小麦粉のうまみ、麺の腰、イカ墨の風味全てが、ラングスティーヌの強い風味のソースを支えきっているどころか、さらに高みに持っていっている。

パスタ:うさぎ(ラパン)のパッパルティーニ? サマートリュフとチーズ風

   パッパルディニと聞こえたが、正確には不明なパスタ。
  ウサギ肉とサマートリュフとチーズのハーモニーは素晴らしかった。
  ここまでをロンバルディアのシャルドネ。ガイア・レイが最近無い所が少し残念ながら、このシャルドネもかなりのレベル。濃厚な二つのパスタにはピッタリだった。

メイン:鳩ロティー 胡桃入りポルト系の甘めのソース サマートリュフと胡桃のピュレ

  鳩は血の味がして、少し甘めのソースと、胡桃のコクがよくあっていた。
  ただ、私としては肉に、もうひと塩欲しかった。
  メルロー100% のトスカーナの赤と。中々美味しい赤ワインだったが、しかし、やはりブルゴーニュが欲しくなる。

総評

   全体的には今回も素晴らしい出来栄えだった。
  サービスもそれなりに、こなせる人が入っていて、あわただしさも無くスムーズに流れていた。

05 2 25 私の誕生会に

  自分の誕生会に・・・。この頃も他の食事会とまとめて記載していたので内容が乏しい・・・。
  とりあえずわかっているメニューを。

料理メニュー

  • 鯛、オマールエビのポワレ、バジルのピュレのソース
  • 軟らかく煮た鮑、スモークサーモンとウニのコンカッセ、ミルフィーユ仕立て
  • ラングスティーヌのポワレ イカ墨のパスタ ラングスティーヌのソ−ス
  • 卵とミンチのラビオリ、トリュフのせ
  • ピジョンロティー、フヌイユのピュレ入り、ジュ・ド・ピジョン
  • ブラッドオレンジのグラニテ
  • 4種類のデセール

ワイン

  • グラス、スプマンテ
  • リスネリス(IGT) シャルドネ+ピノブラン+α
  • ALTENI DI BRASSICA 1994(GAJA、ソーヴィニョン・ブラン)
  • ティニャネロ 1986

  以上の中から感想を。

半熟卵入りのラビオリ トリュフのせ

  この時期に来ると必ず食べさせて頂ける、いつもながら感嘆に値する出来栄え。

ピジョンロティー フヌイユのピュレ入り ジュ・ド・ピジョン

  残念ながらジビエはもう無かったので、代わりにピジョンを頂きました。ジビエほどの個性は無いものの、鉄分の強い独特の味わいがしっかりと表現された素晴らしい一皿でした。

リスネリス(IGT)

  リスネリスは、いつも最初に頼む見たことも無く、変った味のワインと言う注文で、お任せしたものですが、今回は甘味を少し感じさせる辛口ワイン。コンドリューなどとは一味違いますが、感覚は似ていました。(あれほどの香りは有りませんでした。)

ALTENI DI BRASSICA

  GAJAがつくるソーヴィニョン・ブラン。いつものガイア・レイが品切れなので、これにしました。
  プイィ・フュメやサンセールなど北のソーヴィニョンとは違い、フルーツ香が強く味にも少し深みがありました。

ティニャネロ

   初めて。アンティノリのワインでは、ソライアは何度か飲んだ事はあるのですが。ソライアとは逆のセパージュ。(サンジョベーゼ 70% 前後+カベルネ)で、かなり熟成しており、うまみ成分が非常に強いワインでした。鳩との相性も申し分なかったですね。

  尚、この時は名物? シェフの怒号パフォーマンスは無し。

04 11 19 エディーさんの誕生会

  この日はエディーさんの誕生会。ジビエをお願いしておきました。さて、何が出るのか? 乞う御期待!!

アミューズ:フォワグラとキノコのつくねのコロッケ

  芳醇なフォワグラと、キノコの香りが最高で、それでいて、重くないところが秀逸でした。グラスのスプマンテでいただきました。

前菜:鮑とウニ キャビアぞえ スモークサーモンのコンカッセのソース

  定番です。磯の香りのする柔らかな鮑に、雲丹の濃厚さ、スモークサーモンのうまみ、キャビアの塩味がマッチして相変らずの美味しさ。ヴェネチア地方の、ヴァン・ジョーヌのような変わった白ワイン(赤ワインと同じ製法で、フィルターをかけてないので褐色で、本当に、ヴァン・ジョーヌや、シェリーのような味わい。変わっていますが、美味しいワインでした。)と合わせました。
  磯の香りとどうかなと思いましたが、無難にこなした所も、シェリーと同じで、汎用性の広さを垣間見せてくれました。

パスタ:イカ墨打ち込みパスタと ラングステイーヌのソテー

  イカ墨パスタの味わいの濃密さと、腰の強さは特筆すべき物。ラングスティーヌも、いつもながらの美味しさ。
  これも、前述のワインでいただきました。無論、何の問題もありません。

魚:フグ ルッコラ風味のソース トランペット・ド・モール添え

  フグ。まさかこれが出てくるとは。純粋タンパク質の魚のうまみを、香り高いソースが支えていました。
  これは、前述のワインと、ガイヤ・レイでいただきました。色は前者より薄い物の、バターのような香りと余韻の長さは、さすがガイア・レイ。それでいて、下卑た所がないところがこのワインの素晴らしい所でしょう。

パスタ:キノコのラビオリ 白トリュフと鳩胸肉のロティー添え

  キノコのうまみと、白トリュフの香り、そして、鉄分豊富な鳩の肉。ラビオリと白トリュフは、ガイヤ・レイで。鳩は、ジャコモコンテルノのバローロでいただきました。

メイン:ベルギー産雷鳥のロースト、内蔵のソース

  関西では、ここと後一軒しか、この食材は入れていないとの事。しかも、9月末から、11月中旬までしか入らない食材だそうで、本当に貴重な物を食べさせて頂きました。野鳥系のジビエのなかでは、今までの中でも最高のものでした。
  ジャコモのバローロとの相性もさすがです。ただ、個人的には、ブルゴーニュのニュイのいい物を合わせてみたかったですね。

総評

  デザートもいつもながら感嘆させられるものばかり。本当に、このレストランのレベルは高いです。
  残念だったのは、ビルの同じ階か、その上の階で工事が有り、その音が雰囲気を壊していたのと、シェフがサービスの人間に、かなり苛立っておられ、怒号が飛んでいた事があげられますね。スタッフがもう少し、シェフの力量についてこれれば尚良いのですが。


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